定期通知やリマインドを自動化する方法|提出・確認漏れを防ぐ業務設計
提出をお願いした資料がそろっているか、共有フォルダを開いて確かめる。足りないものがあればチャットで声をかけ、届いたあとに、今度は社内の確認を待つ。少人数の受託サービス会社では、こうした進行管理を、制作や事務と兼務していることもあるでしょう。
定期通知やリマインドの自動化を考えるときは、まず「何をもって仕事が終わったとするか」を決めます。通知する時刻だけでなく、担当者、期限、完了の記録、再通知、予定どおりに進まなかったときの対応をそろえると、今のツールで試せる範囲を選びやすくなります。
この記事は、提出物の回収や社内確認を兼務する担当者に向けた一般解説です。ここからは、制作に使う社内資料を毎週そろえる仕事を想定例にして、通知を自動化する前に整理したいことを説明します。特定の会社の実績や、導入効果を示す事例ではありません。
催促が必要になった一件から、仕事の流れを見る
たとえば、水曜日の午後に制作を始めるため、必要な社内資料をそれまでに共有フォルダへそろえてもらうとします。進行担当者は、火曜日に一覧を確認し、まだ置かれていない資料の担当者へ連絡しています。
この仕事では、連絡文を書く時間に加えて、「誰の資料が足りないのか」を探す時間もかかっています。提出したという返信が来ても、資料の場所がわからなかったり、制作担当がまだ確認していなかったりすれば、進行担当者はもう一度確かめることになります。
先に、最近の一件を、依頼から確認完了までたどってみてください。どこで待ち、何を探し、誰に声をかけたかを見ます。全員へ同じ通知を送れば済む仕事なのか、状況を見て相手を選ぶ仕事なのかが、ここで分かれます。
担当・期限・完了条件を、一つの記録にそろえる
通知の対象になる仕事は、チャットのやり取りだけに埋もれないよう、担当者が確かめられる場所へ記録します。今使っているタスク一覧や管理表で構いません。同じ仕事の期限と完了状況を、どこで更新するかをそろえることが大切です。
今回の想定例なら、次のように整理できます。
| 決めること | 社内資料の回収での想定例 |
|---|---|
| 担当 | 資料をそろえる人と、使えるか確認する制作担当を分ける |
| 期限 | 水曜日の制作開始に間に合うよう、提出と確認それぞれの期限を決める |
| 完了条件 | 一覧にある資料が所定の場所へ置かれ、制作担当が使えることを確認する |
| 記録する場所 | 資料の場所と、未提出・確認待ち・完了の状態を同じ一覧に残す |
| 予定外の対応 | 担当不在や期限変更は進行責任者が判断し、一覧へ反映する |
「提出済み」と「確認まで終わった」を分けるのは、待っている相手が違うからです。資料が届いたあとも提出者へ催促し続けると、相手は何をすればよいかわかりません。提出後は制作担当の確認待ちとして扱い、すべての確認が終わったら完了にします。
複数の人が資料を出す場合も、一人が提出しただけで全体を完了にしないようにします。誰の提出や確認が残っているかを記録できる形にしてから、通知の条件を考えます。
最初の通知、再通知、停止する条件を決める
最初の通知には、依頼したい作業、期限、記録を開く場所を入れます。「資料の提出をお願いします」だけでなく、「今週の制作資料を所定のフォルダへ置き、一覧を提出済みにしてください」と伝えれば、受け取った人の次の行動がはっきりします。
再通知は、期限と未完了の状態を見て決めます。たとえば火曜日に未提出の人へ確認し、水曜日の制作開始までに間に合わない見込みがあれば、進行責任者へ相談する流れです。これは通知ルールの想定例であり、この時刻がどの会社にも適しているという意味ではありません。
提出が済んだら提出者への再通知を止め、確認待ちなら確認担当へ知らせる。確認まで終わったら、その仕事への催促を止める。このように、誰へ送るかと、いつ止めるかを一緒に決めます。翌週の仕事は別の回として管理し、先週の完了が今週にも引き継がれないようにします。
期限を変更したときは、記録と通知の予定がそろうかも確認してください。古い期限で作った通知が残っていれば、更新や停止が必要です。また、通知を送る時刻と仕事の期限は別に持ち、休日や勤務時間に合わせて扱いを決めます。
既存ツールでできる範囲を、二つに分けて調べる
一つ目は、決まった曜日や時刻に同じ案内を送る方法です。たとえばPower Automateの公式資料には、スケジュールに沿ってクラウドフローを動かし、実行する曜日・時刻やタイムゾーンを設定する手順があります。Microsoft公式の定期実行の説明
二つ目は、仕事の状態を確認して、未完了の人へ知らせる方法です。こちらは送信の予約だけでは足りません。記録の状態を読み、対象を選び、完了した仕事を除く処理が必要です。今のツールでその記録を参照できるかを、管理する人と確かめます。
Chatworkを使っているなら、まずタスク管理で担当者や期限、完了・未完了の状態を確認できるかを見ます。公式ヘルプでは、担当者や期限で一覧を絞り込み、完了状態を変更する操作が案内されています。この操作ができることと、希望する条件で再通知を自動化できることは、別に確かめてください。Chatwork公式のタスク管理の説明
通知のために、使い慣れた道具をすべて入れ替える必要はありません。まず既存の機能で、記録をそろえ、担当者が未完了の一覧を確認するところから試せます。そのうえで、手作業として残る確認や送信のうち、どこを自動化するかを選びます。時刻や状態が決まっている処理なら、AIを使うことを前提にする必要もありません。
不在や予定変更は、連絡先を決めておく
通知が届いても、担当者が休んでいたり、別の仕事を優先していたりすれば、提出は進みません。再通知の回数を増やすだけで解決しようとせず、誰が状況を確認し、担当や期限を見直すかを決めておきます。
担当を引き継ぐときは、一覧の担当者と通知先をそろえます。資料が不要になった場合も、完了扱いにするのか、対象外として理由を残すのかを決めます。期限の延長、担当の変更、作業の取りやめといった判断は、仕事の事情を知る人が行います。
通知そのものが届かなかった場合も、気づく人が必要です。自動化を担当する人と、送信結果をどこで確認するか、失敗したときに誰が手作業で知らせるかを決めます。送信が成功した記録と、相手が対応を終えた記録を分けて見ると、どこで止まっているかを確かめやすくなります。
一つの回収業務で試し、確認の手間まで見る
最初は、担当と期限を説明できる一つの業務を選びます。全社の通知を一度にまとめるより、提出から確認完了まで追える範囲で試すと、通知が多すぎる、完了記録が更新されない、といった問題を具体的に見つけられます。
設定を担当する人とは、未提出、確認待ち、完了、期限変更、担当不在の状態を用意して、意図した相手へ届くかを確かめます。完了後に催促が止まるか、予定変更後に古い通知が残らないかも、試す範囲に含めます。
試したあとに見たいのは、送った通知の数だけではありません。未提出の相手を探す手間や、同じ相手へ何度も確認する手間が減ったか、制作を始める時点で必要な資料がそろっていたかを振り返ります。通知を見分けたり、誤った催促を取り消したりする仕事が増えていれば、条件や記録の仕方を直します。
まずは、見直したい回収業務を一つ選び、次の内容を短いメモにしてみてください。
- 何をそろえる仕事か、資料の場所と状態をどこへ記録するか
- 提出する人、確認する人、それぞれの期限と完了条件
- 最初の通知と再通知を、誰へ、どの状態で送るか
- 完了や期限変更のあと、どの通知を止めるか
- 不在や送信失敗のとき、誰が確認して対応するか
このメモがあれば、決まった時刻の案内だけでよいのか、未完了の記録を参照する仕組みが必要なのかを、今のツールを管理する人と話せます。しごとのとなりでも、使っている道具と仕事の流れを見ながら、どの確認や連絡から整えるかを一緒に考えます。
複数の道具をつないで、依頼から記録・通知までを整える考え方は、Chatwork・Dropbox・kintoneをつないだ業務改善の記事でも説明しています。今回のメモを作ったあと、情報の受け渡しが必要だと分かったときの参考にしてください。